みなさん、こんにちは!!
今回は2019年7月25日にMF文庫Jから発売された「全肯定奴隷少女:1回10分1000リン」を紹介します!!
小説家になろうにて投稿されていた作品なのですが、完全に見逃していました…(他作品は読んでいた)
また、作者の方は話題となっている「処刑少女の生きる道ーそして、彼女は甦るー」と同じ方です。

この作品自体のジャンルは何なんでしょうか…
お悩み解決というわけではなく、本当にタイトル通りという感じです。
今までに無いジャンルの作品で、お悩みを肯定するだけの淡々とした展開と思いきや、要所で熱くなれる部分もある面白い作品でした!!
それではさっそく紹介していきます!!
どんな話??
短く言えばこんなあらすじ…
勇者に憧れて田舎から出てきた主人公は無事中堅パーティに所属したが、失敗続き…
荷物持ちも満足に出来ず、トボトボ歩いていると公園にプラカードを持った美少女を発見する。
『全肯定奴隷少女:1回10分1000リン』
不審に思っていると、美少女の元に教会で見かけたシスターがやってきて…
「今日の仕事でも…ゴミクソの塊みたいなことがあったの」
「すごく大変だったのね!!!!」
!!??
それは10分間ただひたすら愚痴を喋る客と肯定し続ける少女!?
そして、初めはただ見ているだけだった主人公も全肯定奴隷少女にハマっていき…
詳しいあらすじ
勇者に憧れ、田舎から都市部にやってきた主人公“レン”は、中堅冒険者のパーティに所属している。
今日は初日ということもあり荷物を持ちをしたのだが、戦闘中に荷物をばら撒くという失敗をしてしまった。
そんなレンを慰めてくれるパーティメンバーもいれば、悪態をつく魔術師の少女もいるわけで…
「こんなはずじゃ、なかったんだけどなぁ」
トボトボ歩き知らぬ間に広場に着いていると、視界の端に首輪を嵌め、プラカードを持った美少女を発見する。
そして、彼女の持つプラカードには…
『全肯定奴隷少女:1回10分1000リン』
「……は?」
信じられ光景に彼女を見つめていると、気づいた彼女はこちらに笑いかける。
さすがに怪しすぎると思い、レンは帰ろうとすると…
「奴隷少女ちゃーん!」
そこにやってきたのはレンも見かけたことがあった教会のシスター。
シスターは奴隷少女に1000リンを渡したかと思うと…
「ねぇっ、聞いてよ奴隷少女ちゃん!!」
「わかったの!!!!もちろん聞くのよ!!なんでも言うが良いの!!!!」
ハスキーな声とあざとい笑顔の奴隷少女の一声を皮切りに、シスターは今日の仕事場での愚痴を奴隷少女に喋り始める。
上司のハゲの愚痴、無表情な先輩の態度、仕事に対する不安。
そんなシスターの愚痴を全て肯定する奴隷少女。
そして、10分経つと奴隷少女はプラカードで口を隠し黙り込む。
「あ、もう十分かぁ。二回目は….今日はいいやっ。ありがとう、奴隷少女ちゃん!!」
駆け込んできたときと比にならない晴れやかな顔で、シスターは帰っていた。
レンはすごい光景を見たなという感覚と、誰しも悩みはあるのだということに気づき…
「….俺も頑張るか」
気を引き締めるのだった。
—別日—
レンは努力の末、肉体強化の魔術を成功させていた。
パーティメンバーが褒めてくれる中、魔術師の少女ただ1人だけは…
「ふーん、だから?…..出来て当たり前のことを報告されたも困るんだけど。」
さらにはパーティリーダーにレンをなぜパーティに入れたのか聞き始め、その場の空気は凍りついていった….
その後、他のメンバーに慰められはしたが、やはり気持ちは落ち着かないレン。
今日は自分が全肯定奴隷少女を利用してみようと思い、広場に行くと…
「ここで….どんな愚痴でも…. 聞いてくれると、噂で聞きました….」
そこには錬金術師の青年。
先を越されたという思いもありつつ、エリートなお勉強大好き青年にどんな大層な悩みがあるんだと?と見定めるように見ていると…
「研究論文が、同じ学年の、友達だと思っていた奴に盗まれてですね…」
思った以上に思い内容だった。
さらに盗んだ奴は偉い教授の息子で、文句を言おうにも権力で脅されるという。
結果、錬金術師の青年は3000リンを使い、途中泣きながらも最後には明るい表情で帰っていった。
そんな光景を見てレンは…
「うっし….ぜってぇ、あの先輩をあっと言わせてやる!」
さらに気合を入れるのだった。
—さらに後日—
レンは努力の末、補助もありつつだが前衛として戦って良いという許可が出た。
そして、前衛としての経験も浅いある日、パーティでダンジョンに入った時に<知性ある魔物>という特殊な魔物に遭遇してしまう。
レンを含めたパーティメンバー全員が奮闘する中、やはり経験の浅いレンが狙われてしまい…
「ぁ、ぐっ」
精神制御をくらったレンを助けるために、魔術師の少女が注意を反らした隙に体を鎌で貫かれてしまった。
結局、魔術師の少女を倒したと気を抜いた魔物を倒す事は出来たが、レンを助けた魔術師の少女は神殿の治療室に運ばれていった。
パーティメンバーは特殊な魔物の出現は予期できないもので、レンを責める人はいなかった。
しかし、真の意味で足手まといということを自覚したレンの足は自然にあの公園に向き…
「お願い、します…」
「わかったの!!!!!言いたいことを叫べばいいのよ!!!!!えへっ」
レンは自分の失敗を語り、全肯定奴隷少女はレンの行動は悪くないと肯定し続けるが、レンの心は晴れない。
10分後、黙った少女の前でレンは、自分の肯定は他の2人と全くの別物だと気づく。
レンが自己嫌悪に駆られ泣いていると…
ことり
そこにはプラカードを置いて、しゃがみこんだ奴隷少女が!!??
果たして、彼女はレンに何を伝えるのか!?
そして、再出発したレンの行動はあの魔術師の少女を惑わせる!?
「俺、好きになっちゃいました」
レンの恋心は誰に向いているのか!?
これは失敗続きの主人公が奴隷少女を通じて、冒険者として成長し周りに認められながらも、恋あり、冒険あり、笑いありの日常を送る癒やしの全肯定ファンタジーである。
こんな人におすすめ!!
- 新しいジャンルの作品が読みたい!!
- スピーディーな作品が読みたい!!
新しいジャンルの作品が読みたい!!
記事冒頭でも言いましたが、この作品のジャンルを言うのが難しいです 笑
公式ページには全肯定ファンタジーと書かれていますが、そもそも全肯定ファンタジーってなんぞや?という話です。
かくいう私も読み始め前はこの気持ちでした。
そして、読み終わって思ったのは青春ラブコメである人生相談系の作品(もろそのまま)の全肯定バージョン!!です。
なんとも分かりにくいですが、相談や解決が主ではなく、相談後の主人公の成長が手という感じです。
世界観は異世界であるため、相談系の異世界バージョン(全肯定でもある)という風に想像して頂けるといいかもしれません。
個人的には読んだことは無い珍しいジャンルだったので、最近のジャンルに飽きてきた方にはオススメです!!
(といっても、おそらくここでどう言っても伝わりにくいジャンルではあるので、まずは小説家になろうで読んでみることが良いと思います。)
スピーディーな作品が読みたい!!
この作品を読んでいて思ったのは、非常にスピーディーで読みやすかった点です。
この記事もあらすじがかなり書きやすかったと思っていました。
これは各章に繋がりはあるのですが、流れや内容が章ごとにまとまっている点だと思います。
序盤に関しては、その章だけ読んでも完結している内容だとも思いました。
やはり、ラノベを長時間読んでいて思うのは…
「そろそろ休憩したいんだけど、どこでやめたらいいかわからない」
という感情。
これはおそらく皆さんにも経験があるはず。
章で分かれているけれど、前の章と密接につながっている作品もやはり多い中で…
変なところで読み疲れて、次に日に読んだら内容を忘れたために少し戻って読み直す…なんてことも。
しかし、こういう章ごとにまとまっていると、別のタイミングで読み始めても次の章から読むことが出来て非常にスピーディーです。
また、各章自体も短いため止めるタイミングも非常に簡単です。
そのため、ラノベを好きだけど一気読みが辛い!!と思っている方にはオススメです!!
総評
今回は「全肯定奴隷少女:1回10分1000リン」を紹介しました。
読んだ感想としては、珍しいジャンルの作品で、新鮮味もありつつ熱くなれるところもあり面白かったです。
個人的に1巻最後のくだり(主人公が勇者に立ち向かう展開)は非常に熱くなりました。
コメディ要素や恋愛要素もありますが、特に恋愛要素はこの作品後半の肝となります。
大体、最初主人公に厳しい美少女は後々必ず惚れますよね 笑
コメディに関しても愚痴を言いに来るシスターがいい味を出していたり、パーティメンバーも面白い掛け合いもあります。
ただ、どちらかといえば主人公の成長と恋愛が強めという感じでした。
また、個人的に最近思っていることなのですが…
小説家になろうとの差別化があまりないのかなという感じです。
これに関しては、ただ作品を読むという気持ちだけなら小説家になろうで十分なのでは?ということです。
「読む前に気づけよ!!」
これが最もな意見で、論破されるわけですが…
私の場合だと、小説家になろうのときからファンで書籍化が嬉しくてファンとして買う!!というのが、流れです。
いきなり書籍化から入って、実は小説家になろうでほぼ同じ内容が公開されていたと気づきたくない…
なおかつ、小説家になろうと書籍化の内容はほぼ同じというか、気をつけないと違いすらわから無いことが多いです。
それだけに、公開されているのであれば、最初は小説家になろうから読むのを勧めたいと個人的には思っています。
その中でファンになったので買ったというのが、一番良い流れだと思っているからです。
ということで、長ったらしく語る(これ専門で記事書くかも)のはここらへんにしましょう。
次に読むのにかかった時間ですが“1時間半”でした。
前述しましたが、読みやすかったですし、章ごとにまとまっていて読書苦手な人にも良いと思いました。
次にこの作品が売れそうかですが…
内容自体は面白いですし、良いと思うのですが…
作者の方は超忙しそうだなと感じました。
そもそも、作者さんには進行形で書籍化されている作品が他にもあるため大変だと思います。
小説家になろうを見たところ、現段階で2巻までの文量はありそうですが…
「処刑少女の生きる道ーそして、彼女は甦るー」に至ってはオリジナル(おそらく)ですので、ただただ凄いなという感情です。
そうなると、作者さん頑張れ!!というのが一番で、並行しながらの出版は作者さん次第という感じだと思います。
頑張って下さい!!
ということで、今回は「全肯定奴隷少女:1回10分1000リン」を紹介しました。
気になった方はぜひ読んでみて下さい!!
それでは今回はここらへんで!!