みなさん、こんにちは!!
今回は2019年11月25日にMF文庫Jから発売された「特殊能力統括学院 叛逆の優等生と悪魔を冠する少女の共犯契約」を紹介します。
この作品は『第十五回MF文庫Jライトノベル新人賞 受賞作』で、非常に期待できる作品となっています。
作品タイトルには『共犯関係』とありますし、二人の思惑やバトル要素など楽しみな展開も期待です。
また、共犯ということは、きっと恋愛方面とかにいきそうですね 笑
それでは、さっそく紹介していきます。
(あらすじの説明が難しいので、わかりにくい可能性が高いです。)
どんな話??
短く言えばこんなあらすじ...
特殊能力統括学院。
そこは力を発現してしまった生徒たちを保護と養成の名目で収監する学院。
その学院で主人公は、生徒達の監督を行う監理官になるため通っていた。
全ては”とある目的”のため。
ある日、彼は上司から問題児の女生徒と契約を組むことを命令される。
彼女はその素性と能力から学園でも嫌われる存在であった。
しかし、彼女にも”とある目的”があった。
そんな彼女と過ごす中で、二人はお互いの目的のために共犯関係となっていく。
詳しいあらすじ
特殊能力統括学院。
そこは【脅威】という妄想を具現化する能力を発現してしまった少女たちを収監する学院。
学院は『学院島』という完全に隔離された場所にあり、【脅威】を発現してしまったが最後、今まで通りの普通の生活は送れない。
生徒達の保護と養成を目的としているが、その目的は果たして...
それ故に、この学院の生徒の多くは学院の運営組織や組織に従属する生徒を忌み嫌う対象としていた。
そんな学院で、主人公の”紫門詠也”は生徒たちの監督・管理を行う監理官を目指す生徒として通っていた。
そして、彼は純粋に監理官を目指しているわけではなく、ある目的のために自らの意思でこの学院に来た生徒だった。
それが...
この学院へと攫われた幼馴染に再会する。
そのためにも、紫門は厳しい監理官の勉強で優秀な成績を取り続けていた。
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ずがーん。
「... 、またか」
起床には早すぎる時間に突如鳴った轟音。
そして、その音の正体は...
「やっほー、しいっち★」
ベランダにいる少し派手目な少女”煌焚烽火”。
毎朝やってくる彼女と朝の挨拶をしつつ、彼女から話を始める。
「やっぱり早朝の飛翔は最高だよねー」
飛翔。
文字通り、彼女は【脅威】を駆使し、ロケットブースターのごとく飛び回ることで紫門の部屋までやってきたのだ。
そして、彼女がこの部屋に来た目的というのが...
「朝ごはんを作ってやんよ★」
と言いつつ、真の目的は映画鑑賞なのだが、これが紫門にとっての日常風景である。
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結局、遅刻しそうになりながらも学校に到着する二人。
クラスで仲が良い少女と談笑し、本日の授業が始まる。
「重要になるのは『設定』の構築だ」
『設定』
これこそ、『脅威』の力の強さの根源。
能力者は妄想を具現化することは出来るが、何でもかんでも思い通りの超常現象を使えるわけではない。
重たいバーベルを持ち上げるのに筋力がいるように、妄想にも然るべき想像力が必要となる。
そして、このより正確な妄想こそ『設定』であり、能力者達は想像力向上のために知識を付け続けている。
だが、もちろん知識にも限界はあるわけで、学内でもかなり強い部類の烽火でも太陽フレアの再現を行うことはできていない。
そんな時に、彼女らの助けを行うのが...
「では紫門。今の煌焚の『設定』を聞いて、お前なら監理官として何ができる?」
紫門のような監理官の役目である。
紫門が担任からの質問に模範解答を出すと...
「煌焚の『療養』をお前に任せて正解だったな」
彼のポイント稼ぎが成功したのだった。
(ちなみに『療養』は仮採用監理官が一部生徒のメンタル監理をすること)
ーーー放課後ーーー
烽火からしつこく絡まれながら帰ろうとしていると...
「紫門仮採用監理官」
冷たい声が響く。
その声の先にいる人物こそ...
「アスモデウス」
学園においても特殊な存在ー悪魔の名を冠した少女である。
悪魔の名とは、この学園のおける特殊組織<脅威対策委員会>に所属している証拠であり、その仕事は風紀委員会のような役割である。
そして、彼女達は特別に従属特待生と呼ばれ、非常にイタい生徒が多く...
「首輪嵌められても笑っていられる馬鹿な連中と一緒に野垂れ死んだら?」
彼女の傲慢な態度もそのうちの一つである。
緊迫した空気感の中、アスモデウスは紫門と共に上司に呼ばれたことを話し...
紫門はアスモデウスに付き添う形で、上司のもとに行くこととなった。
ーーー移動後ーーー
「はぁ?こいつと『仮契約』を結べって...ドユコトっ?」
『契約』
それは従属特待生が監理官と結ぶもので、『義務』を果たす対価として、どんな望みでも叶えてくれる『権利』が得られるもの。
しかし、その関係性は能力者が監理官に従うという構図。
そして、アスモデウスは能力者の中でも最強の一角を担う存在。
少なくとも仮採用監理官と結ぶこと自体、おかしな状況である。
「なんであたしとなの?あたしを誰だと思ってるの?」
やはり納得行かず、騒ぎ続けるアスモデウス。
それに対し、上司は...
「俺の命令に従えないなら『契約』を不履行にしてもいいんだぞ」
「卑怯者...」
アスモデウスの表情が凍りつく。
それはアスモデウスと既に契約を結んでいる上司からの完全なる脅しであった。
そして、望みのためにも彼女はこの命令を無視できない。
その結果...
「してあげるわよ。それともあたしと『仮契約』したくないの?」
アスモデウスと紫門は『仮契約』することとなった。
しかし...
アスモデウスとの関係は波乱続き!!
事あるごとに駄目出しされたり、
彼女の能力が未知数すぎて、全く役に立てなかったり、
更には『契約』の代償として急に発情もしてきたり、
優秀なはずな紫門が、彼女の行動に振り回される毎日。
そんな中、判明する彼女が契約を結んででも叶えたい願い。
『王子様』と再会する
果たして、彼女の言う『王子様』の正体とは!?
紫門の会いたい幼馴染の正体とは!?
噛み合わない二人による新たな戦いが今始まる!!
総評
まず、あらすじが我ながら、超わかりにくい感じになってしまいました。(すみません)
今回は「特殊能力統括学院 叛逆の優等生と悪魔を冠する少女の共犯契約」を紹介しました。
読んだ感想としては、序盤の大量の設定を理解できれば、非常に楽しめる作品だと思いました。
内容としては、隔離された孤島の学院で起こる事件解決という感じでしたが、実際はその範疇で収めて良いものか...という感じでした。
日常というよりは、学園の闇を暴くという方向や、能力に暴走した生徒とバトルという内容で、結構ダークな印象です。
加えて、主人公がラストに完全にダークヒーローになります。
逆にヒロインが可愛く見えてくるぐらいには...
そして、これらの展開が非常に先読みしづらく、私としては楽しく読めました。
予想と違う展開が多く、面白かったです。
また、主人公とヒロイン目的の相手が、実はお互い同士だった...
という展開も、最初は「お互いが求めている相手でした的なのだろ?」と思っていたのですが...
徐々に「あれ違うか?」となったり、逆に「やっぱり、お互いか...」と目まぐるしく予測が変わっていくのは、読んでいて完全に翻弄されていました 笑
最終的な正解は...読んで確かめてみてください。(まぁ、そうなるよね的な感じ)
そんな内容と展開共に非常に良かったこの作品ですが、唯一人によっては難しい点がありました。
それが前述したとおり設定の多さです。
私も最初は完全に設定の量にやられてました。
それだけに、最初に読むことをあきらめてしまう人もいるのかなと正直思いました。
総じて、序盤を乗り切ればめっちゃ面白い作品という感じです。
ただ、序盤の過去の回想シーンとか重要なので読み飛ばしはしない方が良いと思います。
次に読むのにかかった時間ですが、”二時間半”でした。
序盤の読みにくさは覚悟が必要です。
後半は展開を予想しながら読むと、面白いです。
それだけに結構時間を掛けて読む必要はあります。
最後にこの作品が売れそうかがですが...
最後の終わり方的に、次巻は出ると思います。
ただ、一巻終了段階でも解明されていない部分がほとんどのため、今後どうなるかが非常に予測しにくくなっています。
なので、次巻からの展開次第では...
というのが正直な予想です。
どこかで主人公の思惑がバレたり、学園の闇が露見したり、目的の存在にお互いが気づいたり...
盛り上がる展開は多くあるので、期待したいです。
そのために、設定をがんばって読みましょう 笑
ということで、今回は「特殊能力統括学院 叛逆の優等生と悪魔を冠する少女の共犯契約」を紹介しました。