みなさん、こんにちは!!
今回は2020年5月25日にMF文庫Jから発売された「探偵くんと鋭い山田さん 俺を挟んで両隣の双子姉妹が勝手に推理してくる」を紹介します。
『<本格派>学園ミステリーラブコメ!』
「この手のジャンルを前にいつ読んだのかな?」と考えて思い出したのが「ぜんぶ彼女に「視」られてる」という2012年の作品でした 笑
ということで、超久々に『学園ミステリー』を読んだのですが...
面白いですね、学園ミステリー!!
日常のストーリーを描く学園ラブコメも良いですが、ミステリーという要素が加わるだけで、非常に新鮮に読むことが出来ました。
どうしても私の好み的に、ロンドンを舞台としたシャーロック・ホームズ系の作品や、怪異要素が加わった若干ディープめな作品は読むのですが...
よりカジュアルに...けれど謎解きとしても十分に楽しめるこの作品は、スッキリと爽快に楽しめました。
ディープなミステリーだと後味が悪い時も多いので 笑
ということで、さっそく紹介していきましょう!!
どんな話??
短くいえば、こんなあらすじ...
ーー戸村くん、そういうの詳しいんだよね?
高校生活が始まり、最初の自己紹介...
彼は緊張の余り、実家が『探偵』であることを話してしまう。
そのせいか、彼はクラスでも目立っている女子から、『彼氏の浮気調査』を依頼される。
しかし、彼は別に『探偵』でも無く、彼女から得られた情報だけではお手上げ状態。
彼もさすがに断ろうかと悩んでいると、隣の席の山田さん(双子姉)から声を掛けられる。
そんな彼女に『探偵』の相談をしたのが転機!
彼女のキレッキレな推理でものの見事に解決し...
主人公には、更なる以来が舞い込んでくる!
そんな依頼を山田さん(双子姉)と山田さん(双子妹)と解決していく!!
主人公”戸村和”は高校生活開始10日にして、落ちこんだ気分でいた。
その理由は初日の自己紹介にまで遡り...
「戸村和です。部活とかは、特に考えてなくて...趣味は読書とか動画視たりとか...あとは、ええと...
家は**駅で、戸村探偵事務所って、...あの、西口の階段のところに看板貼ってあるやつです」
緊張のあまり、実家が『探偵』であることを口走ってしまう。
すると、
ーーー戸村くん、そういうの詳しいんだよね?
早くも形成されつつある女子グループのリーダー的存在に呼び出され...
「ーーっていうわけなの。ちょっと調べてみてよ」
一方的な要求をされてしまったのだ。
和も最初は断ろうとしたが...
「えー、無理とかないでしょ」
「鞠(リーダー女子の名前)がかわいそうじゃん」
「戸村が無理なら、お父さんに頼めばいいッしょ」
取り巻きの三人の援護射撃。
ここで無理に断ろうとすれば女子の大半を的に回しかねない。
というわけで、和は断れずに憂鬱な気分で教室へ帰還。
一番後ろの窓側二番目という素晴らしいくじ運を発揮した席で、昼ごはんを食べようとすると...
その俺の席には先客がいた。
というのも、和の席の両隣はとある特徴的な女子二人が座っている。
それが”山田雨恵”と”山田雪音”の二人。
名字から想像できるかもしれないが、双子の姉妹である。
そんな雨恵(姉)は、和の席を巧みに使って寝転がり、雪音(妹)の膝を枕にして寝ていたのだ。
和もその光景に立ち尽くしていると、本を読んでいた雪音がこちらに気づき...
「起きて雨。戸村くん帰ってきたよ」
雨恵を乱暴に起こすと...
「あぁ...となりの」
こちらはフニャフニャしながら起きてきた。
そんな彼女達二人を軽く見比べる和。
ギャルというほどではないが言動がチャラくていい加減な姉と、真面目で読書家でスタイルのいい妹。
それが和の両隣に座る山田姉妹である。
そうして待っていると、雨恵も席に戻ってくれたので、ようやく和も落ち着けた。
すると、和の姿を見た雨恵は...
「なぁんか、しんどそうな顔してるね。体調悪い?」
和の落ち込んだ姿を感じ尋ねてくる。
和も心配してくれたことに例を言うが、雨恵は再び...
「悩み事なら言ってごらんよ。あたしで良ければ聞くからさ」
「またそんな、無責任な...」
雪音の声も聞こえるが、雨恵も興味本位ぐらいで尋ねてきてるようだ。
和もそんな雨恵の問いかけに、軽い気持ちで相談してみる。
それが、彼女たちとの奇妙の関係のはじまりであった。
ーーー相談内容(予想したい人は試してみて下さい)ーーー
それは女子リーダーの彼氏の浮気調査だった。
彼氏は一個上の先輩(名:糸口先輩)で、付き合い始めたのは去年から。レンタルビデオ屋でバイトしている姿に一目惚れしたの始まりらしい。
浮気の目撃情報は三つおり...(なお、時系列順に書いている)
1a,傘の女 証言者、リーダー女子の友達の初芝さん
名前、不明。写真あり。背丈は彼氏と同程度。派手に染めた長髪、モデル体型。
雨の日、先輩のバイト先まで傘を持って現れ、いっしょに帰った。当初は泣いていて、彼氏にしがみついていた。
2a,朝帰りの女 証言者、リーダー女子本人
名前、不明。背丈は先輩と同程度、髪は黒くてショートカット、ジーパンなど体にぴったりした格好。遠目なので、他不明。
彼氏が一人で留守番をしていた夜に泊まっていたと見られる。彼氏はその事実をリーダー女子に隠していた。
3a,ランジェリーショップの女 証言者、彼氏の友達
名前、橋本、以下不明。先輩より明らかに背が低い。髪は黒の短髪、ルーズな服を着ていた。
彼氏と二人で街に出て、ランジェリーショップへ案内された。二人で歩く姿は親密そうだった。
という三人分の情報。
加えて追加情報として...
1b,彼氏の家は四人暮らしで、妹さんは会ったことがあるが別人
2b,2aの時、彼氏の親は家族旅行・妹は合宿だと妹から聞く。
3b、3aの時、友達は浮気相手?の落としたお守りを拾って返した。お守りには『思』と『兄』が混じった見たことも無い感じが縫ってあった。
4b、3aの時、最初は彼氏の妹かと思ったらしい(以前妹が同じ服を着ているところを見たことがあった)
ーーーーーーーーーー
これらの情報を聞いた雨恵は、午後の授業中、ひたすらノートに何かを書き連ねていた。
そして、放課後...
「ねぇ、戸村くん。
ひょっとしたら、浮気相手なんていなかったのかもしれないよ」
雨恵による謎解きが始まる!
(公式サイトの試し読みで、謎解きの途中までが載ってました。気になった方は読んでみてもいいかも!最終的な謎解きまで気になる方はぜひ書籍で!)
そして、無事に依頼を達成したのもつかの間...
噂を聞きつけた相談者が和の元に!?
「『機械城殺人事件』の犯人が知りたいんだ」
時には、今では手に入らない本の犯人をカバー(登場人物紹介)だけから推測したり...
「ナイフで胸を一突きだ」
時には、美術部の絵画に刺されたナイフの犯人探しをしたり...
双子との出会いから、『探偵』としての日々が始まる!
そして、『探偵』を双子の姉妹と共に成す中で、主人公や姉妹の間にも徐々に変化が現れ...
総評
今回は、「探偵くんと鋭い山田さん 俺を挟んで両隣の双子姉妹が勝手に推理してくる」を紹介しました。
読んだ感想としては、ミステリーとしては想像以上にしっかりとしていて、ラブコメとしては今後期待!という感じでした。
まず、ミステリーに関しては...
(正直読む前はあまり期待していなかったのですが...笑)想像以上にしっかりと構成されていました。
一応あとがきにて、『クイズ・ミステリーかもしれません』とありましが、普通に推理部分は「そう言われると、確かに...」と納得できるぐらいには、ミステリーとして面白いです。
基本的な軸としては、学園生徒の『浮気調査』などの、ハード過ぎない生徒からの依頼を解決していきます。
解決後も『後味の悪さが無い』ので、万人にカジュアルに楽しめる作品かと思います。
推理部分に関しては、『生徒から聞いた話』の要素だけで解決することができ...
決してぶっ飛んだ推理でも無いので、読んでいる側も参加して楽しめる感じでした。
(怪異要素皆無)
また、ヒロインの一人がちゃんと事件の要素をまとめてくれるので、ミステリーだけれど読みやすさが高かったです。
私はラノべ以外でミステリーを全く読まないので、ミステリーとしての『物足りさな』も特に感じませんでした。
ただ、本格派の人がどう感じるかは...若干謎です 笑
ミステリーに関してまとめると、『万人に面白い作品』という感じでした。
次に『ラブコメ』に関しては...
今後に期待という感じです。
基本的にヒロインは二人おり、どちらも主人公と共に『探偵』をしてくれます。(作中の感じであえてこういう言い方をしています)
『無駄話の好きな変わり者の姉』と『博識だけど頭の硬そうな妹』というキャラの違う二人が、『探偵』を通じて徐々に主人公と距離が縮まっていくのですが...
一巻だけではそこまで進展が無い(双子を名前で呼べるようになった)ので、次巻以降...という感じです。
どちらかと言うと...
テンションのアップダウンが激しく主人公と妹を振り回す天才肌の姉と、苦労性の妹というありがりな構図があるのですが...
『恋愛』ではなく、双子の姉妹がひょんなことから喧嘩をして溝が出てきてしまう中で...
『姉妹愛』という部分の『青春』が最後は中心のようにも感じました。
なので、次巻を待ちたいですね 笑
ちなみに、話は変わって、めっちゃ細かい事を言うのですが...
『物語序盤の挿絵』で姉妹のお昼のひと時の一面が描かれていたのですが....
その前の『説明』と姉妹の位置が逆な気がするのは気の所為でしょうか?
若干それ以降の文章とキャラの配置が気になって、物語に集中出来ない私がいました 笑
まぁ、多分それに惑わされて変になっているのは私ぐらいもしれません 笑
次にこの作品を読むのに掛かった時間ですが、”二時間半”でした。
実際に推理しつつ読んでいたのと、挿絵の惑わしが気になって、これぐらいの時間です。
長さはカジュアルにミステリーを読むには適している長さだと思ったので、積む人もいない気がします。
最後にこの作品が売れそうかですが...
オススメではあるのですが、怪しい気がしています。
何というか表紙がキャラ一人というインパクトの小ささなので、ジャケ買いの人が少なそう...
個人的な予想だと、次巻は出るけれど四巻以内完結な気がしていますが...
あとがきには「続刊は不確定」とあったのですが、多分次巻はあると信じています。
三人の行方も気になる所なので、期待して待っています!
ということで今回は、「探偵くんと鋭い山田さん 俺を挟んで両隣の双子姉妹が勝手に推理してくる」を紹介しました。
気になった方はぜひ読んでみて下さい!
それでは今回はここらへんで!!