みなさん、こんにちは!!
今回は電撃文庫から4月10日に発売された「復讐できない復活魔王」を紹介します。
魔王が主人公の作品ってよくある話かもしれないですが、私はかなり好きなんですよね。
主人公無双とか配下のキャラとか...
皆さんはどうでしょうか?
それではさっそく紹介していこうと思います。
どんな話??
生き返った。それも俺(魔王)を殺した憎き少女の死の直前に。
死に際に俺がかけた呪いが勇者を殺すまであと三十日。死の恐怖を前に無様にあがく彼女の姿を、高みの見物といこうじゃないか。
そうして、勇者の暮らすカミゴ村にたどり着いた俺は
――牢に直行することとなった。
いやいやいや! なぜこうなった!?
新任神父と間違われ、なんとか牢を出た俺を待ち受けていたのは、子供達とおくる教会生活。魔王を嫌う村人のため神父として東奔西走。あげく、噂を聞きつけた勇者が嫁入り志願してきて――。
どうなる、俺の復讐!?
(https://dengekibunko.jp/product/321808000001.html から引用)
3年前"氷の魔王"として恐れられていた魔王が勇者と戦い敗れた。
戦いに敗れ意識がなくなる直前で魔王は勇者である"イキル"の肩に噛みつき、3年後に死ぬ呪いをかける。
それは自分を倒したイキルが幸福の絶頂であろう時に呪いで死ぬことを期待したためである。
そして、現在...
"魔王復活"!!!
隣には、かつての同胞で姉のように慕っている"二ココ"の姿が...
彼女は勇者が攻めてきたときに、たまたま魔王の城におらず、無事であった...
そして、彼女は数年かけて魔王を復活させたのだ。
魔王は二ココに、ここがどこであり、今がいつであるかを聞く。
すると、どうやら魔王が復活した現在は勇者の呪いが発動するひと月前ほどで、ここはその勇者が住む町の近くらしい。
勇者の死にざまを見届けることができると知った魔王はさっそく勇者の街に向かおうとするが、二ココは難色をしめす。
それはこの世界における"無形憑き"と"正常人"という二つの種類の人間の関係性からである。
正常人というのはいわゆる一般人。何の能力もない普通の人間である。
それに対し、無形憑きは個々によって特殊な魔法を使うことができる人間であり、体のどこかに紋がついている。
無形憑きは差別対象であり、無形憑きであるだけで理由なく攻撃されたり罵倒されたりする。
それでも魔王は勇者の死にざまを見るために街に向かうのだが...
服が無かった...
彼はとりあえず祭壇の近くで拾った白い布で大事な部分だけは隠して街につき、
「この俺の姿を見てくれ!俺にふさわしいところに連れて行ってくれないか!!」
と叫ぶと、しっかりと牢屋に連れていかれる。
そして、そこにいたのはかつて自分を倒した勇者!?
彼女は無形憑きではなかったが、異常な力を持っていたため同様にこの世界では暮らしづらく、勇者の職も失い無一文になったため牢屋に入っていた。
牢屋にしばらくいると、なんと自分が大事な部分につけていた布の刺繡が聖印という教会関係者が持つもので、あれよあれよという間にこの街の司祭として崇められる。
どうやら、来る予定であった司祭<博愛のルーシュ>が遅刻しており、勘違いされているらしい。
彼は勇者が幸福の絶頂の時に呪いで死ぬことを期待していたのに、予想と違う勇者の立場と展開に疑問を思い、<博愛のルーシュ>と偽って教会で過ごし始める。
すると、彼のところには様々な相談者がきて、博愛の元に彼らを救っていく。
そんな噂をきき、勇者も自分のところに相談にくる。
「勇者という立場もない自分が残りの人生をどう生きたらいいか?」
そして、流れで勇者も教会で済むことになったり、婚約?をしたり...
これは無形憑きという差別がある世界で、かつて氷の魔王と恐れられた魔王が自分を倒した勇者と過ごしていくうちに、正常人との心のわだかまりを超えて皆を幸せにするギャグファンタジーである。
ここが面白い
主人公と勘違いする周囲
主人公は自分を司祭と偽って過ごしています。
そして、周囲が相談に来るわけですが...
魔王自身はそもそも博愛というわけではないので、司祭っぽくない答えをよくします。
それを周りはあの有名な"博愛のルーシュ"の言葉ということで信じるのですが、それが結果的にうまくいってしまうのです 笑
また、司祭っぽくなく汗水たらして一生懸命解決する姿も周囲からしたら好感が持てるのでしょう。
主人公自体はかつて魔王だったこともあり、ちょっとナルシストなお調子者キャラであるので、それも勘違いに拍車がかかっている原因でもあるが、それも面白いです。
正常人と無形憑き
この作品で重要となるのは正常人と無形憑きという関係性です。
無形憑きだとばれれば、周囲からの差別があるので通常は無形憑きの特徴である体のどこかにある紋を隠します。
ちなみに、主人公の紋は男の大事な部分にあるので隠れていますが... 笑
そもそも、主人公が氷の魔王をしていたのは差別されたり追い出された無形憑きの人々がともに暮らせる森を作ろうとしていたためです。
結局、その中の過激派みたいな人が街を襲って魔王が討伐されたわけですが...
主人公は司祭として教会に住み込んでいるわけですが、そこには無形憑きの孤児"ザザ"がいます。
彼女は現在も無形憑きということで差別されており街でも浮いてしまっています。
そして、この作品では無形憑きを忌み嫌う存在のキャラも出てきます。
彼はそんな人々と無形憑きの関係を博愛の名のもとに改善することができるのでしょうか。
登場キャラ
氷の魔王
本作の主人公。
三年前に勇者に倒されたが、現在復活した。
無形憑きで氷を自在に操ることができる。
無形憑きが持つ紋は男の大事な部分にある
果たしてバレるのか? 笑
少しナルシストが入っており、熱中すると周りが見えなくなる。
心臓が3つあるというチートキャラ。
イキル
かつて勇者を倒した勇者。
無形憑きではないが異常に力が強く、その力を使い魔王を倒した。
残り一カ月ほどで呪いのせいで死にそうだが、本人は気にしていない風。
それは過去にいろいろとあったため。
天然であり、魔王がかつて倒した氷の魔王だと気づいていない。
魔王の妻を名乗るヒロインの1人。
二ココ
魔王の同胞で魔王にとってお姉ちゃんのような存在。
いつもニコニコしている
無形憑きで幻惑を見せることができる。
魔王を慕っており、魔王復活のために勤しんでいた。
かつて、正常人に両親を殺された経験があり、正常人を毛嫌いしている。
関係ないですが、個人的に好みです
ザザ
教会に住んでいる孤児の少女。
無形憑きで手の甲にその紋があるため、街で差別されている。
差別などのせいで言葉をうまくしゃべれない。
魔王の正体を知っている風な素ぶりを見せ、魔王が一番警戒している相手といっても過言ではない。
無形憑きとしての能力は...ネタバレになるので作品でどうぞ

(左 : イキル 、真ん中 : 魔王 、右 : 二ココ、下 : ザザ)
総評
今回は「復讐できない復活魔王 おしかけ嫁は俺を殺した勇者でした」を読んできました。
読み終わってまず思ったのは、不完全燃焼というのとなんかな~という感じでした。
あと、どちらかというとコメディ寄りの表紙だと思うのですが、確かに魔王の行動や住人の勘違いなどコメディ部分は多かった反面、それ以上に差別の部分の話が多かった。
コメディだと思って読むと、登場キャラの一人にイラっとする。もちろん、最後にはいい感じに丸くなるわけですが...
そして、一巻の最後をもう少し長引かせてもよかった気がしました。ページ数の兼ね合いなどあると思いますが、「あ、ここで終わるのか」といった感じがしました。
そして、おそらく今後も考えて、主人公が正常人や勇者とうまくいかせるためにはしょうがないかもしれませんが、「え、そのキャラ切っちゃうのか」という重要キャラが今後は登場がなくなるかもしれない展開になりました。
正直にいうと何とも言えない作品でした。
といっても、私個人が思った話なので人に人によっては全く違った感想を持つ人もいると思いますし、面白いと思う人ももちろんいると思います。
あくまで、これは私の感想です。
この作品を読むのにかかった時間を紹介すると"2時間半"でした。
登場キャラが少し多くて読みづらい印象でした。
総評が不完全燃焼のような感じになってしまい申し訳ないです。
ということで、今回は「復讐できない復活魔王 おしかけ嫁は俺を殺した勇者でした」を紹介していきました。
私の総評にかかわらず、あらすじや見どころなどで気になった方はぜひ読んでみてください。
それでは今回はここらへんで!!