みなさん、こんにちは!!
今回は「マッド・バレット・アンダーグラウンド」を紹介します!!
第25回電撃小説大賞<選考委員奨励賞>の作品ということで電撃文庫から2019年4月10日に発売された作品です。
第2巻も今年の夏に発売するようで、電撃文庫の作品公式ページからも期待の作品なのだと感じられます。
今月はとりあえず電撃文庫の新作4巻をすべて買ったので後の3作品も近日中に紹介したいと思います。
それではさっそく紹介していきましょう!!
どんな話??
「ねえ、ラルフ。ところで今日の仕事、殺しの許可は?」
「政府公認。愛と正義の為に、どうぞ連中を皆殺しにしてください、だとさ」
おっと、勘違いするなよ? 俺とリザは、殺人もクスリも黙認してくれる寛容な犯罪街イレッダでご依頼主様のために、クズどもをぶっ殺す善良な賞金稼ぎだ。
まぁ、ご依頼主様が良い奴か悪い奴かは関係ないがな。何より大切なのは金だ。
そんな俺たちに与えられたのは、少女を捕らえろというちっぽけな仕事。だがそれも、悪魔の異能力者《銀使い》の襲撃で、狂気に満ちた《愉快な誘拐劇》に変わってしまったわけだが――。
(https://dengekibunko.jp/product/MBUG/321810000112.html から引用)
この物語の舞台となるのは殺人やドラッグなどが許容されるイレッダという退廃した街。
主人公はそんな狂気的な街で警察や犯罪組織からの依頼を請け負う"ラルフ"という青年である。
依頼事態も殺人から探偵まで多岐にわたり、いわゆる何でも屋みたいな感じで仕事をしており、"リザ"という少女と組んで仕事をしている。

この世界では特殊能力を持った人間とそうでない人間がおり、もれなくラルフとリザの2人は前者である。
特殊能力を持った人間は<銀使い>と呼ばれており、体の中に銀の球を埋め込まれている。
球を埋め込む作業には正式に決まった儀式を通じて行う必要があり、この儀式で1/4の人は銀の球に対し体が拒否反応を起こし死んでしまう。
そして、銀の球を埋め込まれた人間は感情が欠如し、快楽殺人者や戦闘狂などの狂気的な人間になってしまう(元からそうい人種もいる)
この代償の代わりに身体能力が飛躍的にあがることに加え、個々に特殊能力を得ることができる。
相棒のリザは音を操ることができ、音を消したり、振動させて相手を気絶させることができ、戦闘面において有用な能力を持っている。
それに対してラルフは身体能力は上がらず、能力もいわゆるアイテムボックスみたいな能力であり以下のような条件がある。
1.武器や食料などの物質が収納できる
2.武器や食料は自身のお金で買ったものだけ(一時的に借りるもダメ)
3.生物を入れるときは死んでいなければならない。
つまり、戦闘面ではかなり弱くて、日常生活に役立ちそうな感じの能力 笑
そんなラルフには他の銀使い(能力者)と違うことがもう一つ。
それは...
感情の欠如が無く、正気を保っているということです。
では、なぜラルフだけこんなに他の人と違うのかというと、それはラルフの過去に起きたある事件が原因で正式な儀式で銀使いになったわけではないためです。(過去に闇がある感じだ...)
そんな二人の下にある日、依頼が舞い込みます。
依頼はある大きな組織から脱走した2人を生け捕りで連れてきてほしいという内容でした。
そのうちの一人がこの一巻で今後深く関わってくる"シエナ"という娼婦の少女です。
ラルフは情報屋からシエナともう一人の居場所を聞き、2人を見つけることに成功します。
そして、初めて見たシエナは過去の事件で失ったラルフの元彼女にそっくりでした。
とは言っても性格は別人であり、依頼もあったため2人を連れていこうとすると...
謎の襲撃者が!!!
その襲撃者は"マクスウェル"と名乗り、ラルフたちと同じ銀使いで自分が殺した死者を操れる特殊能力持ち...
なにより、快楽殺人者であらつれる死者は数知れずというチート感...
ラルフとリザは生き残るため、マクスウェルに立ち向かいます。
一時はマクスウェルを撃退しますが、マクスウェル以外にもラルフとリザ、シエナの下に襲撃者が!!!
様々な思惑が交差する中で、ラルフは狂気と正気の狭間に立ち苦悩します。
そして、暴かれる襲撃者たちと黒幕の真の目的!!!
なぜ、ラルフ達を襲うのか!? ラルフの過去とは!? シエナの正体とは!?
これは一人の青年が腐った世界で自身の大切なもののために奮闘する異能力バトルファンタジー。
かなりあらすじの説明が難しい...
ここが面白い
銀使いの中で異質な主人公
この物語ではよく能力者の異常性について触れることが多いです。
とくに舞台となるイレッダという街では警察も機能せず、殺人やドラッグが至る所で行われ、日常風景のようになっています。
そんな中でも特に銀使いたちの狂気っぷりは異常で、お金以上に殺人が好きな人間であったり、自身の実験や昇格のための犠牲をいとわない人間などなど...
ラルフの相棒のリザも例に漏れず戦闘狂ですが、主人公だけは殺人に対して非情になりきれず、同情してしまう面がよく見られます。
そんな彼が自分の生きるために、狂人になり切ろうとしたり、それでも正気であろうとしたりなど苦悩をし続けます。
そんな彼の心境に影響を与えるのが元彼女にそっくりなシエナとい少女です。
彼女はラルフと同様に過去の事件が原因で生きることに意味が見いだせていません。
その姿がラルフ自身とそっくりであったため、彼は彼女と接し生き方を見ていくうちに自分の本当にしたいことを見つけていきます。
そんな彼の心境の動きなども見どころの1つです。
戦闘シーン

この物語では戦闘シーンが非常に多いです。
身体能力も特殊能力もすごいリザと身体能力普通で能力はビミョーなラルフの2人のペアの戦闘ですが...
一見ミスマッチに見えてラルフの知略とリザの戦闘狂っぷりがうまく嚙み合って、様々な困難な戦闘も超えていきます。
また、一見戦闘面では弱そうなラルフの能力も、その能力を逆手にとった作戦や最後にはやはり主人公らしくかっこよく決めてくれます。
戦闘シーン自体も細かく鮮明に書いているため、主人公の心境や状況、そして機転を利かせた打開策など非常に迫力があります。
特に第一巻は刺客が何度も来るため、戦闘シーンが多くそれが好きな人はかなり楽しめると思います。
また、普通にリザがかっこいい...
黒幕とは ...
そもそもの始まりはラルフとリザに依頼を出した人間から始まるわけです。
ラルフとリザは捜索対象の2人に会った時に襲撃者が訪れ、その際に捜索対象のシエナ以外のもう1人は殺されます。
そんな不可解な状況をラルフ達(ほとんどラルフだけ)が推測しながら黒幕と彼らの真の目的を探っていきます。
そして、それが物語最後にそれまであった様々な伏線を一気に回収していくのはさすがでした。
なので、読む際に何か引っかかることがあったら注意してくださいね 笑
登場キャラ
ラルフ・グランウィード
本作の主人公。
金次第で殺人から探偵まで何でも行う。
会話の中でジョークをかなり言い結構面白い。
銀使いで武器などを自在に出し入れできる。
武器は自分で買う必要があり、壊れたらもちろん使えないので買い替える必要があり、常にお金に困っている。
知略や機転がきき、戦闘面ではブレイン的役目を担っている。

リザ・バレルバルト
ラルフの相棒で銀使いの少女。
戦闘狂で強い相手と戦いたがっている。
イレッダに来る前は一般家庭で育っていたが、その時から素行が悪かった。
とある音楽バンドが好きで、そのCDを買うために約束の時間に遅れることもしばしば...
容姿はかなりかわいいのに損しているタイプ。
今のところヒロインというより相棒感が強い。

シエナ・フェリエ―ル
依頼で発見した少女。
とある巨大犯罪組織で娼婦をしていた。
ラルフの元彼女にそっくりだが、性格は全く別で気が強い。
過去に色々とあったり、少し特殊能力があったり謎に包まれている。
今のところ一番ヒロインっぽく、娼婦といえど可愛い。

総評
今回は「マッド・バレット・アンダーグラウンド」を読んで紹介しました。
読んで思ったのは退廃的な世界や主人公の強さ、設定など今までにない感じの作品だなと思いました。
人物の細かな行動や心境も書かれており、奥深い作品でした。
何というかただの戦闘シーン満載のラノベという感じではなかったです。
その分読みごたえもかなりあり、読むのに"3時間"かかりました。
時間に関しては早く読めた方がいいとか、長く楽しめたほうがいいとかありますが、私個人は3時間ぶっ通しで読むのはつらかったです。
ただ、時間に関しては一概に何がいいかは言えないので個人次第ですね。
内容自体はしょうがないのですが、前半に設定やらなんやらがあったりで読むのが疲れた印象。といっても、前半も前半なので十分設定云々は読みやすかったです。それ以降はページ数以上に内容がボリューミーに感じた。
ただ、長時間読むのがつらい人は積んでしまうかも...(高校生の私ならそうなってたかもしれない)
逆に一巻で満足した人や登場キャラの心情の変化など深い内容が好みの人にはとても推せる作品。値段以上に価値を感じました。
ということで、最後にこの作品が売れそうかの話なのですが...
たぶん、売れると思います。
というのもイラストがとかくカッコイイし女性キャラはかわいいのですが、スタイリッシュすぎるとあまり売れない傾向にある気がしている(経験則)
内容も面白いのですが、積む可能性もある感じがしています。
しかし、二巻が夏に発売ということで二巻が7月に発売すれば売れる可能性はあると思います。(既に次の巻の宣伝をしていることに加えて特設サイトもあるので、電撃文庫の力の入れようが伺える)
個人的に刊行ペースは3カ月がよく見かける気がするのでそのペースを守れば売れると思います。逆に9月発売とかだと期間が空きすぎて怪しくなる...
ということで、「マッド・バレット・アンダーグラウンド」を紹介してきました。
気になった方はぜひ買って読んでみてください。
それでは今回はここらへんで!!