みなさん、こんにちは!!
今回はガガガ文庫から2019年6月18日に発売した「千歳くんはラムネ瓶のなか」を紹介します。
青春ラブコメの主人公はボッチやオタクという作品が主流ですが、この作品の主人公は超リア充。
さらに、内容的にもリア充目線の立場やシチュエーションが詳細に描写されており、奇を衒ったという訳でなく"完成された作品"でした。
非常に面白かったです。
では、さっそく紹介していきます!!
どんな話??
短く言えばこんなあらすじ...
主人公の千歳くんは超リア充。頭もよく、運動神経もよい完璧超人。
新学期が始まり、前年から引き続き仲のよかったリア充グループで過ごす千歳くん。
そんな彼に先生からお願いが...
"昨年度から不登校になっている少年をどうにかして欲しい"
"やり方は問わない"
そんなお長いに千歳くんはリア充流?千歳流?で不登校少年を導いていく!!
これはスーパーヒーローであり続ける千歳くんの圧倒的強者による青春ラブコメ。
詳しいあらすじ
『五組の"千歳朔"はヤリチン糞野郎』
学校の裏サイトに書かれたその情報のように、千歳くんの周りは美少女に囲まれている。
新学期になり新たなクラスになったが、彼が属していたリア充グループの面子はあまり変わっていなかった。
千歳くんがいつも共にいる面子は、サッカー部の中心選手とバスケ部のエースの男子2名...
学校でも有名な美少女たち4名から成る圧倒的強者グループ。
そして、天然たらしな千歳くんは、側から見たら千歳ハーレムと仲の良い男子という構図である。
今日も彼らは、学校裏サイトに書かれた千歳くんのネタに対し、くだらない話をしていると担任の先生がやってきた。
担任は前年度に引き続き、同じ教師であった。
教師は前年度からクラスの中心であった千歳くんを進行役にし、さっそくクラスの役職を決めていく。
その流れのまま千歳くんはクラス委員長になり、千歳グループで千歳くんの正妻と周りから呼ばれている"柊夕湖"が副委員長となった。
「岩波先生(担任)の専属メイドこと、千歳朔ちゃんですっ。ちなみに裏での通り名はヤリチン糞野郎でーす♪」
一部不快感ビームを出している人がいるが、大半は自身の自虐ネタを笑っておりまずまずな出だし。
そして、そのままつつがなく話し合いは終了した。
新学期始まりの今日は学校もすぐ終わったが、担任から呼び出しにあった千歳くんは屋上に向かった。
屋上にいくと案の定、担任の先生がおり...
「千歳はクラス委員長だよな?」
何か悪い予感がする発言に、千歳は無言で去ろうとするが、つかまってしまい...
「クラスのメンバーはひとりも欠けずにみんな揃っていた方がいいと思わないか?」
昨年度から不登校になり引きこもってしまった少年の話を始めた。
どうやら千歳くんに不登校少年の更生を頼みたいらしい。
そして、更生の方法は完全に自分に一任しているようだ。
それに対し、千歳くんは...
「...やり方は任せてくれるんですよね。見返りは期待してますよ」
『頼られたら人を超えた水準で...みんなが描く千歳朔"そう在り続けなければならない”』
ヒーローであり続けなけらばらなない、という千歳朔の根底にある信念のためにも引き受けることにするのだった。
ーーー翌日ーーー
さっそく千歳くんは千歳グループに属する中では地味目な"内田優空"と共に、不登校少年の家に向かった。
やはり、不登校少年と会うには見た目から合わせる必要があるからだ。
不登校少年の母にすんなり通してもらい、さっそく引きこもっている部屋の前に行き、自己紹介をするが...
「は?なんで?あのヤリチン糞野郎の?」
ドアを蹴り破ろうとする千歳くんをなだめつつ、次に優空が自己紹介すると...
「う、内田......って、千歳の取り巻きの肉奴隷?」
そして、持っていた楽器を振りかざす優空をなだめる千歳くん。
優空が落ち着いてから話を始めるが、少年は教師への点数稼ぎや女自慢、リア充の遊びのために来たのでは?などの偏見とひねくれた考え方。
とりあえず、今日はこれぐらいにして帰宅することにした。
ーーー一週間後ーーー
今日は優空ではなく、夕湖(正妻)を連れて不登校少年の家に向かった。
夕湖は物静かな優空と違い、自分の思ったことをはっきり言うタイプ。
引きこもり部屋の前に行くと案の定、彼からは点数稼ぎや他のハーレム自慢、リア充への偏見を浴びせられるが、夕湖は肯定する部分は肯定し違う部分はハッキリと論破。
すると、不登校少年が引きこもってしまった理由が恋愛がらみであったことが徐々に判明していく。
そして...
「なに、それって結局、恋愛経験の少ない山崎くん(不登校少年)が女の子にちょっと優しくされただけで勘違いして舞い上がっちゃって失敗したって話?」
原因の核心をつき、少年の偏見に対して夕湖は自分の考えを述べると少年は黙りこんでしまった。
若干ヒートアップしてしまった夕湖を遠ざけ、千歳くんはドアを開けてくれないか頼むが、夕湖がいなくなったためか少年もヒートアップ。
ドアを開けることを断固拒否する少年に対し、千歳くんは....
かしゅーんっ、きらきらきら
外から部屋の窓ガラスを叩き割って侵入した。
そしてゴネる少年と対等に話していくうちに、段々彼も千歳くんのことを信用していき...
復学を考え始める。
そのときに、千歳くんは...
「うむ。私のことは神と呼ぶように」
不登校少年の神となった千歳くんによるリア充に近づくための指導(3週間)が始まる!!
果たして不登校少年はリア充になれるのか!?
千歳くんたちのリア充ライフの行方とは!?
これは超リア充な主人公とその仲間たちが送る、リアル強キャラによる引きこもり育成?
いや、各々が主人公となり得る学園ラブコメィである。
こんな人におすすめ!!
- 新しいジャンルが読みたい!!
- 考察が好き!!
- これから売れそうな作品を読みたい!!
新しいジャンルが読みたい!!
学園ラブコメでは主人公ボッチ、オタク、陰キャという作品が基本ですが...
この作品の主人公は何度も書きましたが、超リア充!!
そもそも従来の作品が...
「ボッチでオタクなのに何でハーレム展開になるんだ?」と感じていました 笑
(現実味が無いので)
また、陰キャ目線の陽キャラは何か誇張した悪役感があり、好きになれない作品が多い中で...
「実際陽キャラの立場はどうなんだ?」というのがわかる作品です。
結論から言うと...
陽キャラも"大変"なんですね 笑
考えてみると、確かに煩い陽キャが悪い時はありますが...
大抵の陰キャ主人公は、冒頭で散々陽キャの陰口叩いてますし、どっちが悪いとも言い切れませんよね 笑
始まりは陰キャラを下に見る陽キャラかもしれませんが、結論両成敗な気がします。
ちょっと脱線しましたが...
陽キャな主人公グループだからこその話。
例えば、先程上げましたが、『カースト下めなグループからの陰口』であったり...
他のグループでの『クラスカーストの取り合い・牽制』...
『周囲からの期待に対する回答(行動)』などなど...
「あれ?やはり孤高を生きる従来主人公より大変そうなのでは??」となってきます。
ある意味、今まで以上にディープな人間関係が見えてくる作品かもしれません
そんな今まで知り得なかった視点で、学園青春の新たなジャンルを読みたい方はぜひ!!
考察が好き!!
この作品自体がなんとも意味深なタイトルの時点でわかるように...
まだまだこの作品では謎の部分が多いです!!
あらすじでは名前を出していませんが、千歳グループの人々の態度や過去・作中に時折出てくる謎の先輩女性の存在。
さらに千歳くんは去年の夏まで野球部に所属しており、中学では同学年がみんな知っているぐらいの有名選手でした。
しかし、去年の夏で突如辞めており、その理由も作中でははぐらかされてきました。
つまりこの作品は...
まだまだ解き明かされていない部分が多い!!
今後新たな情報が加わったり、読み返していく中で...
自分自身の考察をしていくのはこの作品の醍醐味の1つです!!
これから売れそうな作品を読みたい!!
総評で述べることが多いですが、先に申します。
この作品は売れます!!
「あぁ、この作品なら1巻発売したときから、目付けてたんだよね~」
というプチ自慢がしたいあなた!!
おすすめです
青春ラブコメで売れる作品は、あまり多くないと思うのですが...
これは...
売れます!!(2回目)
古参になりたい方にはおすすめです。
登場キャラ
千歳朔
本作の主人公。
運動神経抜群、頭脳明晰、イケメンという三拍子整った超人でリア充。
性格も優しく、時に熱い一面もある。
女性にものすごくモテる。
学校裏サイトではヤリチン糞野郎と書かれている。
好きな女の子がいるらしいが明らかでない。
柊夕湖
千歳くんのグループにいる女子の1人(表紙の子)
周りからは千歳の正妻と言われている。
千歳くんからは超天然の男たらしと言われており、初対面でもスキンシップが激しい。
天然のため無自覚であるが、男女で態度が変わらないため敵対心を抱かれない。
千歳好きを公言している。
内田優空
千歳くんのグループにいる女子の1人。
グループの中では地味目な印象だが、修学旅行で実は好きだったんだよねとなるタイプらしい。
仲がよい人には毒舌気味で、学校の裏サイトの書き込みはこの人が??
千歳くん曰く、努力型の後天的リア充。
総評
今回は「千歳くんはラムネ瓶のなか」を紹介しました。
読んだ感想としては、最近の学園ラブコメでトップを争うレベルで面白かったです。
まず主人公のキャラが他作品と違う中で、いきなりこれほど完成している作品はなかなか見れないなと思いました。(私が知らないだけかもしれませんが)
コメディ的にも面白かったですし、リア充ならではのかっこいいシーンや熱くなるシーンもありました。
また、各キャラの意味深な会話など考察したくなる人は多いはず(私は考察苦手です 笑)
1巻の内容は、『引きこもりを陽キャにする話』で終わりましたが、淡々と終わってしまうよりは掘り下げた展開で面白かったです。
ちなみに、登場人物に関しては1感段階で大方出切った感はあります。
千歳くんのハーレム?の中で、登場が少ないキャラもいるので今後の活躍などにも期待したいです。
次に読むのに掛かった時間ですが、"二時間半"でした。
かなり集中して読んでしまいました 笑
ページ数が多かったのですが、読み疲れはなかったです。
最後にこの作品は売れそうかですが...
これは売れます。
学園ラブコメで断言できる作品は少ないのですが、この作品は売れるでしょう。
個人的に感じていることなのですが...
ガガガ文庫は学園ラブコメが強い気がします。
気のせいでしょうか?それとも知っている人からしたら当たり前でしょうか?
それは置いといて、学園ラブコメとしては間違いなくトップクラスに面白い作品です。
もし、ボッチ主人公などのありきたりな展開などに飽きてきた方には、是非ともオススメしたい作品です。
ということで、今回は「千歳くんはラムネ瓶のなか」を紹介しました。
気になった方はぜひ読んでみてください!!
それでは今回はここら辺で!!