みなさん、こんにちは!
今回は2019年6月1日にスニーカー文庫から発売された「葡萄大陸物語 野良猫姫と言葉渡しの王」を紹介します!
ケモ耳王女が可愛いかった...
内容的には弱小王国に勤めた少年と王女の恋愛物語兼下剋上物語という感じでした。
スピーディな展開ですが要所は抑えていて読みやすく、話自体も非常に面白かったです!!
<スニーカー大賞金賞>ということで、それに見合った内容でした(誰目線...)
それでは前置きはこれらぐらいにして、さっそく紹介していきます!!
どんな話??
短く言えばこんなあらすじ...
大陸の全言語が話せる主人公は新たな職として言葉渡し(通訳)を選択。
だが、怪しい出自から誰も相手にしてくれない...
そんな中、唯一採用してくれたのが豹人族の女性。仕事内容は大国に嫁ぐ王女様の言語面の教育係であった。
王女様とも仲良くなっていった矢先、嫁ぎ先の王様との面会の日に...
嫁ぎ相手は性格が悪く、相手の言動にキレた王女様が料理を投げつけてしまった!?
相手は大国だけどこっちは小国...
一体どうなってしまうんだ!!
詳しいあらすじ
主人公の"メル・アルカート"はアルカート流民団という戦争孤児や家族のいない者たちが集まった数千人規模の大家族の出身であった。
家族は様々な種族がおり、幼少期から多種多様な言語を話したおかげでメルは葡萄大陸にある全ての言語を話すことができた。
そんな幸せな日々も戦乱によって終わりを告げ、メルは職を求めて城塞都市ランタンに行くことに...
メルは言葉渡しという通訳のような職に就こうと思い、とりあえず求人募集のとこに行くが、
かなり需要のある職であるにも関わらず、メルがアルカートの名を出すとみんな興味を失ってしまう。
どうやらアルカート流民団という既に滅んだ怪しい出自を嫌がられているらしい。
それでも自分の出自を誇りに思っているメルは待っていると、"キリン"と名乗る豹人族の女性に話しかけられる。
とりあえず職場までついてこいと言われ、ついていくと...
そこはこの国の王宮だった...!!??
そのまま王の間まで行くと、想像とは違って普通の王様がいた。
王様から素性や来歴を質問され、正直にアルカート流民出身であることと全ての言語が話せることを告げると、正直な性格と能力を買われ良い感じの雰囲気に!!
そんな感じで話していると...
『王よ。見よ!大きな野兎を仕留めたぞ!これを今日の晩御飯に加えよ!』
王の間に突然、全身砂まみれの豹人族の少女が乱入してきた。
誰だ?と思っていると、なんと彼女は豹人族の国ビョウの末の姫君で"シャルネ・ブラン"という名前だという。
そして、メルの仕事は大国バツに嫁ぐことが決まっているシャルネ姫の言語面の教育係であった。
それから、シャルネの教育が始まったわけだが...
彼女は野性味あふれる感じであったが、言葉の勉強はしっかりするため順調に言葉を覚えていく。
メルもメルで王宮で仲間が出来たり、何だかんだ楽しく毎日を過ごしていた。
---ある日---
メルがシャルネの勉強のため部屋に行くと、彼女が何かの本を熱心に読んでいる。
とうとうここまで真面目になってくれたかと感慨にふけり、彼女の読んでいる本を覗くと...
「手淫」「夜這い」....あっ.....
シャルネはこの言葉の意味が分からず、メルに質問してくるが、どう答えたら...と思っていると...
そこに彼女の護衛であるキリンがやってきて、口論に!!
どうやらその本はキリンの所持品であった...
シャルネがしつこく言葉の意味を聞いてくるため、しょうがなくキリンが言葉の意味を教えると、過剰な反応を見せるキリンに対して、シャルネは意外にもケロッとしていた。
そして、
『そもそも、なぜ人間は子を作る前に恋などという面倒なことをする。男と子を成すのは義務じゃ、相手が好きとか嫌いとかではない。』
加えて
『恋であろうと、婚姻であろうと私が完璧にこなして見せる』
メルは彼女の王族としての義務や生き方を知り、今までの教えは彼女個人にとって逃れられない残酷なことを教えていたのではと思い始める。
そして、とある結論に至ったメルはランタン王のところに行き、シャルネ個人の幸せのためにもシャルネの婚姻を考え直してほしいと伝える。
しかし、普段はフレンドリーな王だが、一国の王として国を第一優先で考えなければいけないため、案の定却下されてしまい、メルは下がるしかなかった。
そんなメルとランタン王の会話をコッソリ聞いていたシャルネとキリン。
シャルネは自分のために王に進言したメルを見て、人生初の恋に目覚めるが...
やはり、国のためにもこの気持ちを抑えこむことにした。
---そんな悶々とした日々の中---
とうとう嫁ぎ相手との初めての顔合せをする日になった。
あまり良い噂を聞かない嫁ぎ相手に不信感を抱きつつ、メルたちは嫁ぎ相手との面々と食事をとることに。
会ってみると、やはり噂通り横暴な物言いとシャルネを値踏みしながら話す態度に、ランタン側全員が笑顔の下で思うことがある中、嫁ぎ相手は...
「キリンといったか。どうしてもというなら私の愛妾にしてやってもいいぞ。」
なんと、近くにいたキリンにまで手を出そうとしてきた。
そんな嫁ぎ相手の物言いにキリンは
「お断りします」
突き放すように言うと、嫁ぎ相手はぶちギレ。そんな態度に護衛として優秀なキリンが殺気を放ち、嫁ぎ相手はビビりまくり。
そして、キリンに手を出そうとした相手に、シャルネも食べていた料理を投げつけて部屋から出ていった。
嫁ぎ相手は捨て台詞を吐き、今にもランタンに攻めてきそうな勢い。
シャルネたちは彼女の出身国であるビョウに国に行き、どうにかして支援を得られないか話に行くことに!!
そこから始まる小国ランタンの大逆転ストーリー。
しかし、実はランタン王は病気のため寿命わずか...次の王はまさかのあの人物!!!
果たして、小国ランタンの次の王とは!?
メルとシャルネの恋の行方とは!?
小国ランタンは大国バツに勝つことが出来るのか!?
これは大陸の全言語を話せる青年と野性味あふれる王女様の出会いから始まる2人の恋愛と小国下剋上の物語である。
こんな人におすすめ!!
- 主人公の成長が見たい!!
- 下剋上的な展開が好き!!
- 主人公とヒロインのゆっくとした恋愛模様が見たい!!
主人公の成長が見たい!!
始めは大陸全ての言語を話せる以外にただ素直で真面目な優しい青年の主人公。
しかし、王宮で過ごし、シャルネの王族としての生き方や彼女の幸せのために彼は成長し始めます。
もうネタバレですが、メルは次のランタン王になります。
しかし、大国のバツが攻めてきそうなため、シャルネの出身国ビョウの王に支援を仰ぎに行きます。
すると、ビョウの王(シャルネの父親)は支援の条件としてビョウの国での一人前の証明である成人の儀をクリアすることを要求しました。
しかし、豹人族の身体能力は人間とは別格。
普通では確実にクリアできない無理難題です。
そんな中、メルはシャルネの幸せのために努力し、成人の儀を見事クリアします。
その時のメルは、あの時のどこか頼りない人間ではなく、逞しくも真に優しさをもつ一国の王のそれです。
そんな主人公の成長がこの作品では見ることができます。
下剋上な展開が好き!!
メルが王となった国ランタンは城塞都市といわれ、周辺を山と大国に囲まれた場所にあります。
しかし、規模は他の大国に比べると非常に小さく、シャルネの嫁ぎ相手の国バツを完全に怒らせてしまい、とうとう戦争が勃発します。
城塞都市というからには守りは強いのですが、相手の兵は4万。それに対し、自軍は...
4千
戦力差は10倍です。加えて、相手の指揮官は中々の強者。
そんな圧倒的劣勢な状況から始まるメルの人柄とそれを逆手にとったランタン側軍師の作戦。
この戦いの結末はいかに!!
主人公とヒロインのゆっくとした恋愛模様が見たい!!
シャルネの婚姻が破談になったわけですが、次のお相手は....
もちろん次期ランタン王のメルですよね。
そもそもシャルネ自身がメルへの想いを抑えていましたし、メルのシャルネへの感情は特に詳しくは書いてないですが、少なくとも好印象のはずです。
メルがビョウの王(シャルネの父)に認められ、正式にメルとシャルネが婚姻関係になったわけですが...
そこからのシャルネの婚約者面がかわいい...
元気っ娘の照れた姿とかやっぱり浄化されます。
そんな2人の恋がゆっくりと進行していくのを見ていると、心が穏やかになります。
登場キャラ
メル・アルカート
本作の主人公。
アルカート流民という孤児や家族を失った者たちが集まった集団の出身。
葡萄大陸にある全ての言語を話せる。
人柄は真面目で優しく、人に騙されやすかった。
シャルネの語学教師になる前は商人をしていたが、お人好しゆえに交渉相手に騙されお金を失う。
今では一国の王として民の気持ちを理解する優しい王に。
シャルネ・ブラン
豹人族の国ビョウの末の娘。
活発でメルとの初対面でも野兎を捕まえて砂まみれだった。
手先は不器用。
ランタンにいたのはいきなりバツに嫁ぐ前に、ランタンで一呼吸置きつつ嫁ぐための器量を鍛えるため。
姫としての立場を自覚しており、割り切っていた。
自身のために王に進言するメルを見て、惚れた
キリン
シャルネの護衛で、昔からの親友?
豹人族でも異端と言われるぐらい戦闘力が高い。
普段はキリっと美人で周りを寄せ付けず、毒舌。
しかし、正直でないだけで本当は優しい性格。
シャルネの姫としての義務を誰よりも悔やんでいた。
総評
今回は「葡萄大陸物語 野良猫姫と言葉渡しの王」を紹介しました。
読んだ感想としては、王道な展開ではありますが最初から最後までのストーリーが洗練されいて面白かったです。
なにより、この手の話はグダグダとする部分が多いことが傾向としてありますが、それぞれ展開が早く要所はしっかりと逃さずあったので読みやすかったです。
ただ、なんというかうまく纏まり過ぎている?というか、下剋上系にある緊張感というかハラハラ感があまりなかったです。
戦力差10倍!!という展開でしたが、軍師が有能すぎるのと事がうまく運びすぎていて、最後まで超やばい状況がないまま普通に勝ったので物足りなさを感じました。
なので次巻以降はそういう展開に期待!!という感じでした。
ただ、第1巻としては十分すぎる内容でした。
あと、とにかくヒロインと女性キャラがかわいいのが小並感的ラノベ評論家的にポイント高い(ソースは小町)
というヤバめ文章を入れたところで、次に読むのに掛かった時間ですが...
"3時間"でした
この手のジャンルでしたらかなり読みやすかったです。
最後にこの作品が売れそうかですが...
売れるでしょう!!
これは文句なしに売れる思いました。
内容的にもまだまだ続きそうな部分もあり、期待できます。
ということで今回は「葡萄大陸物語 野良猫姫と言葉渡しの王」を紹介しました。
買おうか悩んでいる方にはぜひおすすめしたいです。
損はない!!
熱く語ったところで締めの文が思いつかないので、急に言いましょう...
それでは、今回はここらへんで!!
